12月4日土曜日。西九州の朝は遅い。
お馴染みドーミーイン朝ごはん。朝から長崎名物皿うどんが食べられるのは新地中華街の店舗と同じ。
長崎駅みどりの窓口で、本日利用の「ぐるっと島原半島フリーきっぷ」を買い求め、8時10分の旧線回り各駅停車でスタート。
「やさしくて力持ち」なYC1系の充当。長崎近郊の非電化区間はキハ200系もキハ67系も撤退して、YC1系に統一されているのね。洒落た明るい車内はよいが、車内ほぼロングシートなので旧線回りの車窓が望みづらく、結局は運転台後ろでかぶりつく。
諫早下車。新駅舎とは対照的にアンティークなバスターミナルから、小浜経由口之津・大屋方面バスに乗車。
鉄道だと南線があった時代でも時計回り半分強しか回れず、文字通り「一周」するにはバス利用必須。
鉄道旅だけでは辿れない、島原半島西側の風光明媚な景色を眺めつつ。本日は良い天気。
諫早から1時間半、加津佐海水浴場前で下車。旧加津佐駅跡を訪れるが、駅舎跡の土台と観光案内しか残っておらず愕然とした。
ちなみにこちらが2008年2月、廃止直前に来た時の加津佐駅の様子。
加津佐海水浴場の景色は綺麗。向こうには岩戸山。
再度バスで、加津佐海水浴場前→原城前と移動。
島原・天草の乱で戦場となった原城跡を散策。「鎮圧の後、恐れを感じた幕府軍により徹底的に破壊された」あたり、当時の江戸幕府の異教に対する怖さと、乱の激しさが思い浮かぶ。
ところで昼時、原城温泉併設のレストランで名産の具雑煮を食べようと思うも「臨時休業中」。どうしてもまだ観光・飲食業は厳しいご時世か…と、なかなか周囲に他の店がなく、コンビニで肉まんを齧って空腹を誤魔化す。
なお、この後に訪れる深江の「道の駅みずなし本陣」に早めに行くのも一案だったが、こちらは今年11月末を以て閉鎖だった。ぜんぶコロナのせいだ(強い憤り)
原城前→道の駅ふかえをバス移動。長崎バスと同じ塗装の前後ドアのアンティークな車が来た。
前述のとおり「道の駅みずなし本陣」は閉鎖だが、土石流被災家屋保存公園は開いていた。家屋が丸ごと埋まったこの様子に、当時の大災害の激しさを思い震える。
少し歩くと、島原鉄道廃線跡の水無川橋梁がある。大災害から懸命の復旧を果たしたにも関わらず、真新しい高架橋ともども10年強で廃止になってしまって、当時は無常を感じていた。
営業線から離れたこの地に保存されているディーゼル機関車は何を思うのだろう。
道の駅ふかえ→島原港駅をバス移動、島原港から鉄道線に乗り継ぐ。
大三東で下車。有明海間近の「海の見える駅」。最近だとキリンレモンのCMでも知名度を上げたよう。
幸せの黄色いハンカチを眺めつつ、黄昏時の駅で有明海を眺めつつ過ごす。ただし正直なところ、日没間近で寒かった。
大三東→諫早に戻る。丁度ホームには荘厳な気配を纏ったこの列車がいた。3年前にもこの時間に出会った気がする。
本当は特急で長崎まで戻れれば楽なのだが、本日利用の「ぐるっと島原半島フリーきっぷ」は普通・快速列車のみ対象。YC1系の旧線回りでのんびりと長崎に戻る。
夜食確保には少し苦労。土曜日ということもあり駅ビル飲食店は混み合っており、20時前、そして少し疲労が。
「長崎まで来てリンガーハット」という初回ネタの踏襲になってしまうが、長崎発祥チェーンだから許されると思いたい…と、ゆめタウンのリンガーハットで牡蠣ちゃんぽんをテイクアウト。戻ったドーミーイン自室でお部屋ディナーするのであった。
<つづく>