2020/11/14~15 南東北:1日目

秋真っ盛り、GoToトラベル最盛期…で南東北へ。週末パス利用の1泊2日。

2020年のうちに、悲願の全線運転再開を果たした常磐線に乗車しておきたかった。あの2011年3月、「もう二度と常磐線区間が通じることはないのだろうか」と深い悲しみに包まれてから9年。再び常磐線が繋がり、双葉駅で特急の1番列車を出迎える様子の動画をtwitterで観て、諸課題はあれど、東北がまた一歩前に進む足音が聞こえた気がした。

 

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11月14日土曜日、朝8時。上野始発の「ひたち3号」仙台ゆきで旅立つ。

E657系「ひたち・ときわ」には今までも乗車しており、自動放送も普段なら何気なく聞き流すはずが、いわきから先の停車駅案内を「広野、富岡、大野、双葉、浪江、原ノ町、相馬、終点仙台…」と、復旧区間の駅名を淡々と告げていくのに聞き入る。何気ない自動放送なはずなのに、もう二度と聞けないと思った駅名アナウンスに、つい感じるものがある。

 

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上野から3時間、大野(双葉郡大熊町)で下車。

前情報は得ていたが、最も福島第一原発に近く、バリケードの範囲が最もシビア。厳重に張り巡らされたバリケードと検問、その向こうで放置された民家や商店、あの時代のまま残された飲料自販機の中身…文字通りに「フェンスの向こうは未だ2011年3月」。

 

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一駅戻って夜ノ森(双葉郡富岡町)。線路斜面を覆うツツジが有名であったが、復旧工事で伐採されてしまった。いつかまた花開く日を願って。

この復旧区間、行き交う電車は線路を通っていても、線路の一歩外は「帰還困難区域」。今まで日本全国いろいろな車窓を見てきたが、当然外には人気はなく、とても異様な場面。

 

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再び進んで双葉(双葉郡双葉町)。東側に産業交流センターが開所され、バスが通じていることもあってか、本日巡った各駅の中で最も周辺に人気があった。

 

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再び戻って富岡(双葉郡富岡町)。津波で全壊被害を受けていて、2017年時点で富岡までは運行再開していたとのことだが、海側には堤防を兼ねた道路の建設工事が進んでいた。

 

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富岡16時前の「ひたち13号」で一路仙台へ。10分前後遅れての運転。

本来ならば震災が無ければ、常磐線特急はいわきで系統分割され、E657系が仙台入りすることはなかった、ということをふと思い出す。

 

仙台では突発の買い物を経て、東北新幹線E2系「やまびこ」に乗車。本日のお宿福島へ、

 

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…の前に、白石蔵王で途中下車。

宮城蔵王キツネ村の最寄りで、コラボして一大「キツネ推し」駅になっていた。左を見ても右を見ても「キツネさんしか勝たん」。もふもふしたさ。

なお、「キツネ駅長」の設定があるが、勤務は水曜午前のみとのこと。なかなかお目にかかりづらく…

 

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改めて1駅、再びのE2系「やまびこ」で南下。福島14番入線で「つばさ」を併合する列車だった。

 

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夜食は福島駅東口・ホテル大亀の「レストラントータス」で、とある契機で知った福島県ご当地グルメ「ふくしまブルブル」。プレートになって供されて、豚肉のピリ辛感と玉ねぎのシャキシャキ感をごはんと味わう。

 

宿泊先、福島駅西口で今回はアパホテル初体験。件の「社長カレー」がサービスで頂けたのは良いが、社長インパクト云々以前にロビー階の配色が落ち着かず何故か疲れた、という感想。そんな福島土曜日の夜。

<つづく>